初めて自分のために絵本を買いました。
いろんな方がシェアされている世界的に有名になった最近の絵本らしいのですが、そういった情報に疎いわたしです。
わたしが購入したものには、謎解きクリエイターの松丸亮吾さんやOfficial髭男dismの藤原聡さんが推薦コメントを寄せた帯がありました。
またこちらの記事には、実際のページイメージが少々掲載されています。
そんなわたしがこの絵本を知ることになったきっかけは、ささいなことでした。
知人がSNSでこの絵本を紹介していたので素敵ですね、読んでみようかなとコメントしたところ、「これは確かあなたに教えてもらったはずだよ」と返信されたということがありました。
それはたぶん誤りなのですが^^;、そのコメントがとても嬉しかったので、それならば読んでみなくては、と思ったのです。思いがけず良いきっかけをいただきました。
わたしがこの絵本を素敵だなと思った理由について、なるべく直接的に中身に触れないようにしてお伝えしてみます。
文章だけでなく、絵も優しい
「ぼく モグラ キツネ 馬」は、タイプの違う4人(?)の登場人物が出会い、旅をしながら、対話する物語。シンプルなお話です。
まず絵本というと、絵のタッチや全体の雰囲気が直感的にすきかどうかというのがあると思います。
わたしはこの絵本の絵の感じがとてもすきです。
それがなぜなのか、しばらく考えていました。
そして時間をおいて何度かゆっくり読み返してみると、わたしは次のようなことを感じたのかなと思いました。
(あまり分析しすぎるのはロマンチックでないなと思いつつも)
このような絵が、読み手の想像の余地を残してくれているのですね。
登場人物はそれぞれが可愛らしかったり優しかったりするのですが、
おどけているふうにもしんみりしているようにも、捉えていいのだと感じられます。
下手な自己啓発本よりもずっと受け入れやすい
登場人物たちのセリフは、読み手が一度は感じたことがあることや、潜在的には誰かに言われたいと思った言葉たちだと思います。
あるページでは優しく、あるページではドキリとし、またあるページでは不安を代弁してくれます。
一方で、こういった言葉はセンシティブで、自分の状況や相手によっては言われたくない・言われても受け止められないということも多いことでもあると思います。
表裏一体ですね。
でも登場人物の彼らが言うのは、嫌じゃない。
第三者的に彼らの話を聞き、そのあとで一呼吸おいて、
「自分に言っているようだ」と落ち着いて受け止められます。
自分を責めることなく、でもすんなりと、自分ごととして受け入れられるように思うのです。
そうか、「ぼく」はわたしなのだ
彼らの思いやりにあふれたやりとりに、鼻がツーンとなりながら読みました。
このような絵本を通じて優しく寄り添ってくれる言葉たちを、ありがたいと思うと同時に、
わたしは、本当はこんな話ができる友人がほしいのだと思い知らされます。
愚痴や知識や他人の話ではなく、
本質的で哲学的で、ストレートで、本音の話を。
そして「ぼく」が物語の中で元気がないふうに感じるのは、きっとわたし自身が元気がないから。
自分が何もできなくても、立派な人でなくても、寄り添ってくれる友人がいる。
読むたびに、自分の現在地と友人の温もり、そして「友人がいない」と思いがちなわたしの現在地を、感じられる絵本だと思いました。
あまりネタバレするとよくないですが、今のわたしに響いた言葉を引用して終わります。
疑問文はその答えを、そしてあなたにとってぎゅっとくる言葉を、
ぜひ絵本を手にとって確認してみてくださいね。
いちばんの時間のむだって、なんだとおもう?
「ぼく モグラ キツネ 馬」より
やさしくされるのをまつんじゃなくて、
ぼく モグラ キツネ 馬」より
じぶんにやさしくなればいいのさ
なみだがでるのは
ぼく モグラ キツネ 馬」より
君がよわいからではない。
強いからだ
ときどき、ふあんになるんだ。
ぼく モグラ キツネ 馬」より
ぼくがふつうだってことを
みんなにきづかれたらどうしようって